アパッチ野球軍考察ブログ

1971年〜72に放映のアニメ『アパッチ野球軍(原作:花登筐 漫画:梅本さちお 制作:東映動画)』について語るブログです。

48周年

本日で、アパッチ野球軍のアニメ放映開始から48年が経ちました。こうして文字にしてみると、改めて長い月日を感じます。放映当時の事を覚えている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。

 

この作品に出会うまで、私は正直言って不良が更生する物語が嫌いでした。その意識を変えたのが「アパッチ野球軍」という作品です。

更生とは、社会の一員になるためのスタートラインに過ぎない。そういうメッセージを感じました。彼らは更生したからといって、それだけで賞賛されることはありません。これからどんなに辛い出来事があろうとも、それに耐え抜くだけの強い心は身についたのでは無いだろうか…そういう一種の暗さを湛えた希望をもって、このアニメは幕を下ろします。

 

いつの頃からか、あらゆる場所で自己責任論が聞かれるようになりました。そういう人たちに言わせれば、非行に走ったアパッチ野球軍の子どもたちも自己責任なのかもしれません。

しかし彼らが非行に走った背景には金銭面・教育面双方の貧困がありました。さらに言えば彼らの親も似たような境遇で育っているであろう事が推察でき、それ以外の生き方を学ぶ機会が全く無かったのだろうと思います。

 

過去の私も自己責任論者でした。アパッチ野球軍という作品に出会わなければ、今でも困難にある人たちを自己責任の一言で切り捨てていたかもしれません。

大げさな話に聞こえそうですが、私にとってアパッチ野球軍とはそれだけ大切な物語なのです。

 

自己責任論が蔓延する今だからこそ、多くの人に見てもらいたい。そういう作品だと考えています。