アパッチ野球軍考察ブログ

1971年〜72に放映のアニメ『アパッチ野球軍(原作:花登筐 漫画:梅本さちお 制作:東映動画)』について語るブログです。

【幻の最終回】アパッチ野球軍、三種類の結末

アパッチ野球軍には三種類の最終回があります。

その中でも原作漫画の最終回は単行本化されておらず、文字通り「幻の最終回」となっていることをご存知でしょうか。

今回はその幻の最終回も含めた三種類の最終回についてまとめたいと思います。

 

 

最終回その一 アニメ版

アニメ版は全26話で完結します。当時のアニメにはよくある事ですが、原作には無いオリジナルエピソードがかなり多く、ほとんど別物と言っていいかもしれません。

ただし、アパッチ野球軍に甲子園出場の権利が無いことが判明する点は同一です。

 

 

甲子園常連校・QL学園との練習試合を行うアパッチ野球軍。大会本番さながらの光景に緊張したためか、チームワークを乱してしまいます。最後は大根の捨て身のファインプレーがきっかけとなり、力を合わせて勝利します。

素晴らしい戦績を上げたにも関わらず、文部省の公認校では無いため甲子園に出られないと知った剛は絶望し、村を去ることにしました。

剛の別れの言葉を聞き、網走は「俺たちは甲子園に優勝したのと同じだ。優勝したなら監督を胴上げするんだ」と生徒たちに呼びかけ、皆で剛を胴上げします。

最後に校長から意外な「土産」を差し出されます。それは千恵子でした。校長は二人が想いを寄せあっているのを知っていたのです。

まだ見ぬ野球を知らない子どもたちのために、剛と千恵子は新天地へと向かいます。

 

 

最終回そのニ 漫画単行本版

漫画の単行本は収録が途中で打ち切られたために、原作を大幅に改変した最終回となりました。なんと話の続きを空白のコマで埋め、その後の展開を文章で説明するという形で無理やり終えているのです。


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(画像は筆者所有のオンデマンド単行本より)

原作ではこの後も話が続き、生徒たちが進級する様子まで描かれています。

 

 

最終回その三 漫画原作版

アパッチ野球軍は甲子園の予選を「コマンチ」こと小町部落の隠高校と戦います。アパッチ以上に野生的な環境で育った彼らは信じられない程の身体能力を見せつけ、アパッチ野球軍は苦戦します。更に、無理をして投球を続けた網走は限界を迎えており、選手生命の危機に陥っていました。

その危機を救ったのは材木のホームランでした。勝利が確定したその直後、アパッチ野球軍は甲子園の出場権を有していない事が伝えられます。しかし彼らに絶望の表情はありませんでした。隠高校の選手たちもアパッチの勝利を讃えます。

 

そしてアパッチ野球軍のメンバーは卒業を迎えます。大学とコウモリは進学。今は下手だけど野球を続けてゆきたいとコウモリは言います。

材木とハッパは親の後を継ぎ、大根は学校のお手伝いとして働くことになりました。

剛から将来の道を聞かれた網走は、オルゴールを取り出します。それは剛と千恵子の結婚を祝う曲でした。網走は堂島剛二世として、この村で野球を教えていくことを決めたのです。

堂島と網走は共に野球指導者として、村に残ることとなりました。

 

 

漫画原作の最終回を読むには当時の少年キングを読むしかありません。私もなんとか一冊ずつ集めていたのですが、まだ断片的にしか情報を得ていません。

そのために不正確な内容もあるかもしれません。実際に読破した方の声も聞いてみたいです。

 

 

2020/07/12

漫画原作版最終回の対戦相手を誤って記載していたため修正しました。

 

修正前:小松高校

修正後:小町部落 隠高校

 

漫画版の最終決戦についても近々記事にする予定です。

良ければご覧ください。