アパッチ野球軍 第2話「余国者は刺せ!」後編
アパッチ野球軍の舞台である「猪猿村」。
大規模なダム工事が行われているこの村では、元々の住民である「村」の人間と、工事をきっかけに住み着いた「飯場」の人間が激しく対立していました。
【飯場】 https://kotobank.jp/word/%E9%A3%AF%E5%A0%B4%E5%88%B6%E5%BA%A6-118592
コトバンクより
その対立は子どもたちにも悪い影響を及ぼしています。
生徒たちを教室に集めた際、剛は異様な光景に気づきます。
「村」出身の生徒、「飯場」出身の生徒、そしてどちらにも属さない木こりたちの子供「山」の生徒と、所属するコミュニティごとにそれぞれ席を分けているのです。
自分の親達が対立しているのと同じく、彼ら子供たちもお互いを憎み合っていました。
そんな彼らが唯一、団結してみせるのは、剛の様な「余国者」を排除するときだけでした。
剛は猪猿塾の生徒達に囲まれて、暴行を受けそうになります。その時彼を救ったのは夕食の時間を告げる校長の声でした。
食事が唯一の楽しみであるこの過疎の村では、食事の時は何があっても休むというルールが出来ていたのです。生徒達は食事の合図と共に剛の前から去っていきます。
一見滑稽にも思える光景ですが、剛はこれを見て希望を見出します。彼らにもルールを守る精神がある。
野球もルール、そして日常社会もルールで成り立っています。剛はそこに、彼らを立派な社会人として旅立たせるための糸口を掴みました。