アパッチ野球軍考察ブログ

1971年〜72に放映のアニメ『アパッチ野球軍(原作:花登筐 漫画:梅本さちお 制作:東映動画)』について語るブログです。

アパッチ野球軍 第2話「余国者は刺せ!」前編

「余国者」は「ヨソモノ」と読みます。なんとも不穏なタイトルです。この回ではヨソモノとして猪猿村にやってきた剛が様々な嫌がらせに遭う様子が描かれています。

 

もっとも、彼らがヨソモノを嫌う正当な理由もあります。それはダム工事の存在です。ダム工事の開始とともに作業員らが家族を連れてぞろぞろと村にやってきました。

当時の肉体労働者は決まった住所も持たず、また脛に傷持つ人という側面もあったそうです。その代表格が「網走」の一家でしょう。網走というあだ名で呼ばれる作業員の息子は、かつて殺人を犯し、網走刑務所に収監された過去がある父親を持っています。

そのような人間たちが大挙したせいで、この村の治安は非常に悪くなってしまった――村人はそう考えています。

 

ダム工事の労働者の言い分もあります。ヨソモノを嫌う村人は、村で起きたトラブルを何でもダムの人間のせいだと決めつけ、犯罪者のレッテルを貼っているのだと。

この両者は深く対立しています。

そこに剛が来た事でまた、村に争いの火種が生まれてしまいました。

 

さらに大人たちの対立は、子どもたちの人間関係にも悪い影響を及ぼしています。それを後編で見ていきましょう。

(後編へ)