アパッチ野球軍考察ブログ

1971年〜72に放映のアニメ『アパッチ野球軍(原作:花登筐 漫画:梅本さちお 制作:東映動画)』について語るブログです。

放送禁止説について

アパッチ野球軍は放送禁止作品である、という説についての考えをまとめます。

 

現状

地上波、CS、ネット配信等、現時点では放送されていないようです。それが放送禁止という処置によるものなのかどうかを知ることもできません。

放送禁止という処置は裁量に任せられた自主規制です。公権力が何か一律に基準を定めているわけではありません。

現時点での放送が無い理由について、視聴者や特定団体のクレームがあるなどの事実も確認できていません。

 

過去の放映状況

本放送が最終回まで流されたのはもちろん、再放送も2000年代まで比較的多くされていたそうです。以前にTwitterを検索したところ、再放送からファンになった人もいます。

地上波の再放送時には台詞にかなり修正がかかっていたそうです。それが放送禁止説の発端かもしれません。

一方CS(東映チャンネル)では修正は無かった様子です。

 

実際になされた規制

上記のように再放送時に台詞の修正(いわゆるピー音)がされていました。

またアパッチ野球軍が連載されていた「少年キング」の編集関係者の方の話によると、作中の「部落」という用語にクレームが付き、そのまま打ち切りになってしまったそうです。

 

私見

現代だからこそ再び世に出すべき作品だと思っています。

この作品は差別的な表現があるから規制されたと思われがちです。本来の主張は全くの逆で、あらゆる差別に反対する事を訴えています。

差別に反対する物語を描くには差別されている側の人間を描かなくてはなりません。貧しいもの、蔑まれる職業のもの、親が前科者であるもの、そして親がいないもの。

これらのものを描いた結果表現が差別的であると言われるのなら、差別に反対する物語はもう作れなくなります。今もなお理由の無い偏見に苦しんでいる人々はいるのに、それを存在しない事にした綺麗な物語だけが溢れることになります。

 

職業差別に通じるという理由で長年放送禁止とされていた「ヨイトマケの唄」もテレビで流れるようになり、名曲として認知されるようになりました。○○という用語が出てくるからアウト、と言う考えはもはや時代遅れに思います。

 

重苦しいテーマがひしめく作品だと思われそうですが、アパッチ野球軍とは

「田舎の子どもたちが楽しく野球をするお話」

これにつきます。第一印象からは全く想像できないほのぼの路線スポ根野球アニメ、ぜひたくさんの人が楽しめるようになって欲しいです。

 

 

【2019/03/05追記】

無修正のまま収録していると表記してあるDVDの中にも、実は修正や加工がなされている事があるそうです。

詳しくは次の記事をご覧ください。

「作品の歴史的価値を重視し、現存する原版のとおり収録してあります」という言葉にどれだけの信憑性があるのか - アパッチ野球軍考察ブログ